子供に多い踵の痛み!シーバー病(セーバー病)についての原因、治療法、テーピングなど徹底解説

スポーツをしている子供に多くみられる踵の痛み。それはシーバー病と呼ばれる病態かもしれません。

私の働いている整形外科クリニックでも、スポーツをしている小中学生が多く来院します。今回は、このシーバー病について解説していきます。

シーバー病(セーバー病)とは?

シーバー病は踵の骨が筋肉によって引っ張られてしまって痛みが起こる病態です。
特に10歳前後の男児に多くみられ、踵を押すと痛みが生じたり、運動時や歩行時に踵が痛むのが主な症状です。

踵にはアキレス腱がついています。このアキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋という筋肉からつながっています。

また足の裏からは足底筋膜も踵に付いています。運動によってこれらの筋肉が伸び縮みを繰り返し、そのストレスが原因となって踵に痛みが生じるのです。

踵骨

踵骨は踵にある骨です。

腓腹筋・ヒラメ筋

ふくらはぎについているヒラメ筋と腓腹筋がアキレス腱となって踵骨につきます。

足底筋膜

足底筋膜は足の指の付け根から踵まで付いている、膜状に張っている腱組織です。

シーバー病(セーバー病)はなぜ子供に多い?

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シーバー病は子供に多く見られますが、その理由として子供の骨の特徴が関係しています。

発育期の子供の骨は骨端線と呼ばれる柔らかい軟骨組織で出来ている部分があります。骨端線の部分は周りの硬い骨の部分よりも脆弱なため、筋肉によって引っ張られるストレスに弱くなっています。

そのため繰り返しのストレスによって踵骨に血流障害が起きたり、炎症を起こすことによって発症してしまうのです。

シーバー病(セーバー病)の原因

シーバー病になる原因は以下の事が挙げられます。

オーバーユース

スポーツを急に始めた、練習量が急激に増えたなど、負担が増大する事によって発症する事が多いです。軽い痛みや違和感を抱えながらも運動をする事で症状を悪化させてしまう事も多いです。

硬い地面での運動

下の地面が硬い環境での運動によって踵への衝撃が強くなります。その繰り返しストレスもシーバー病の原因となります。

クッション性の低い靴の使用

靴の底のクッション性が乏しいものでの運動も踵への衝撃を強め、シーバー病の原因となる事があります。

ふくらはぎや足の裏の柔軟性低下

先ほどアキレス腱や足底筋膜の伸び縮みによって、踵骨がストレスを受けるとお伝えしました。その踵骨についている筋肉が硬くなると、それだけ引っ張られる力は大きくなります。イメージとして、柔らかいゴムと、硬いゴムを同じ長さだけ引っ張るとします。硬いゴムの方がより強い力が加わると思いますが、筋肉それと同じ原理です。

腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋膜の柔軟性が低下しているとより踵骨には大きな力が加わる事となります。

踵の骨が傾いている

踵の骨が外側に傾いているのを回外足、内側に傾いているのを回内足といいます。踵が真っ直ぐになっている状態と比べると、踵の傾きがある場合はより、アキレス腱の伸ばされるストレスが増大します。

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クリニックに来られるシーバー病の子供では回内足になっているケースを多くみかけます。
回内足の場合は、土踏まずの部分にあるアーチも潰れてしまうため、足底筋膜へのストレスが増大してしまうのが理由かと思います。

また足首の捻挫の後遺症で踵骨の傾きが生じてしまう事も多く見られます。捻挫の後は要注意です。

シーバー病(セーバー病)の治療方針

シーバー病の治療方針はそのほとんどは保存療法(外科的な処置は行わない治療法)です。病院に受診をしてレントゲン検査を受けて診断されます。

多くは運動を休止し患部を安静にするように指導されます。必要に応じて、体重を免荷する松葉杖を使用したり、靴の中敷きを使用したりして患部への負担を軽減させます。

安静にする事で症状は軽減していきますが、根本的な部分が改善していないとまた再発してしまう事が非常に多いです。大切なことは踵骨に負担をかけてしまった原因を改善する事が大切になります。

シーバー病(セーバー病)改善・予防のためのストレッチ・筋力トレーニング

シーバー病の改善・予防のためのストレッチ、筋力トレーニングをお伝えしていきます。

重要なポイントは

  • 足の裏~ふくらはぎ~太もも裏の柔軟性改善
  • 回内足の改善

です。

※発症初期の段階ではストレッチにより、より骨に負担がかかる事があります。痛みが憎悪する場合は無理なストレッチは行わないようにしましょう

ふくらはぎ柔軟性改善マッサージ

テニスボールを使用し、ふくらはぎをマッサージして柔らかくします。

足の裏の柔軟性改善マッサージ

テニスボールを使用し、足の裏をマッサージします。

ふくらはぎストレッチ

つま先を真っ直ぐに向けて30秒以上ストレッチします。膝を伸ばすと腓腹筋が、曲げるとヒラメ筋がよりストレッチされます。

足底筋膜ストレッチ

足の裏を圧迫して指を反らすようにストレッチします。

壁などに指をかけて行うことでも可能です。

ハムストリングスストレッチ

ふくらはぎの筋肉は、太ももの裏のハムストリングスと連結しています。このハムストリングスの柔軟性改善も大切です。

椅子に腰掛けて伸ばす方の足を前に出します。胸を張ったまま前に屈むことでハムストリングスをストレッチする事が出来ます。

回内足の改善 後脛骨トレーニング

回内足になる原因としては後脛骨筋という筋肉の弱さが原因となります。この筋肉を強化する事が重要となります。

セラバンドを使用して、足を内側に捻るように引っ張ります。

シーバー病(セーバー病)のテーピング

テーピングはシーバー病自体を治すものではありませんが、アキレス腱への伸長ストレスを軽減させる方法と、回内足を補正する方法をお伝えします。

アキレス腱の伸張ストレス軽減のテーピング

テーピングは伸縮性のキネシオロジーテープを使用します。

※見栄え上、写真はタイツの上から貼ってますが実際は直接肌に貼ります。

うつ伏せになり足首は力を抜きます。踵からふくらはぎにかけて真っ直ぐ貼ります。テープに皺が寄らない程度に引っ張って貼ります。

踵の外側からふくらはぎの内側に向かってテープを貼ります。

②と交差するように踵の内側からふくらはぎの外側に向かってテープを貼ります。

回内足の補正のテーピング

足首は90°に曲げた状態にします。

内くるぶしの上から斜め下に入り、踵の外側~土踏まず~足の甲に向かってテープを貼ります。踵から土踏まずにかけては少し強めにテープを引っ張って巻きます。

シーバー病(セーバー病)サポーター

踵の衝撃を軽減させるサポーターも症状緩和に有効です。

まとめ

シーバー病は特にサッカーをしている男の子に多い印象があります。踵へのストレスを強めている原因を取り除く事が症状改善のために重要となります。

簡単な治療法、リハビリ方法を掲載しました。しかし、一人一人体の特徴は異なるため、あまり改善が見られなければ理学療法士やトレーナーなどに体のチェックを受けることをオススメします。

ちなみに私はずっとサッカーをしているのですが、小学生の頃に踵の痛みがずっと気になっていました。その頃はもちろん知識もなく、痛みを抱えながらもサッカーを続けていました。今思うとシーバー病だったのかもしれません。

そんな痛みを抱えながらも運動をしている子供たちに少しでも、体や怪我の知識を提供していければと思っています。