子どもに急増!運動能力低下の原因「浮き指」とは?

以前子どもの運動能力が低下している子どもロコモの記事を書きました。

最近、和式トイレで用を足せない子供、立ったまま靴下を履けない子供が増えてきているといわれています。いわゆる、しゃがむ、片足立ちでバランスをと...

このような運動能力が低下する原因の一つに浮き指という足の形状が挙げられます。

最近の子どもに増えてきている浮き指について解説していきます。

浮き指とは

浮き指とはその名前の通り、立っている姿勢で地面に足の指が接地せずに浮いている状態を浮き指といいます。歩いていても足の指にまで体重が乗らないため、歩く推進力も失われてしまう状態です。

通常の足:3点で地面と接している

浮き指:足の指が浮いていて2点で地面と接している

近年、浮き指がみられる人は増えています。中高年者の6~7割幼児や小学生の約5割が浮き指であるとの研究結果もあるほどです。

ある浮き指の研究結果では

浮き指の子どもの割合
1980年  7%

2000年 48%

2004年  92%

とされており最近急増しています。

  • どれか一つの指が浮き指の場合
  • すべての指が浮き指の場合

と浮き指のパターンにもいくつか種類がありますが、外側にある小指ほど接していない事が多いとの研究結果もあります。

浮き指はどんな問題があるの?

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浮き指による問題点を挙げていきます。

姿勢が悪くなり、膝痛や腰痛や肩こりを引き起こす

浮き指では踵に主に体重がかかるため後方重心となります。後方重心となると骨盤が後方に傾き姿勢が悪くなります。

また後方重心では後ろへ倒れてしまいますが、倒れないように背骨を丸めたり、首や頭を前に出した姿勢をとる事でバランスをとります。

いわゆる猫背やストレートネックといった不良姿勢の元となるのです。

バランスが悪くなり、運動能力が低下する

立った状態でバランスをとるには足の指の力が非常に大切です。

浮き指となると、足の指の力が使えず、踏ん張ってバランスをとる事が困難になります。また走ったり、ジャンプをしたりする際の力が発揮されにくくなる事も挙げられ、運動能力が低下してしまうのです。

また足の裏は唯一地面と接する部分で、感覚が豊富です。足の裏からの刺激入力によって、姿勢やバランスを制御する機能が働くのです。そのため浮き指となると、足の裏からの感覚入力も低下してしまい、運動に支障をきたします。

子どもの浮き指の原因

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浮き指の原因としては以下の事が挙げられます。

遊びの変化

5歳児を対象に

  • 年間を通して外遊びが多い群
  • 年間を通して室内遊びが多い群

での浮き指の発生率を調べた研究では、室内遊びが多い群が有意に多かったとの報告があります。(2005年大貫ら)

つまり、外で遊ぶ機会が少ない子どもは足への刺激が少なく、足の指に力を入れる機会が減る事が原因として考えられます。

移動手段の変化

最近では車や自転車の普及、公共交通機関の充実により、歩くことが減ってきています。

小学生の歩数

1979年27000歩/日(文部省資料)

2011年11000歩/日(東京都調査)

移動手段の進歩によって便利にはなりましたが、歩く機会が減ってきている事も浮き指の原因となります。

履物の原因

最近はサンダルやサイズの大きい靴を履く子どもが増えています。親も、子どもは成長するのが早いからついサイズの大きめの靴を履かせてしまいがちです。

サンダルやサイズの大きな靴では、足が不安定になり事、脱げないように足の指を上に反らしてしまう事が浮き指の原因となるとされています。

また踵を踏んで上履きを履く事も、同様に脱げないように足の指を反らす代償がみられます。

浮き指かどうかを調べる評価方法

浮き指は外反母趾や偏平足のようにパッと見た目ではわかりにくいです。そのため気づかない人も多いかと思います。浮き指かどうかを調べる評価方法を挙げていきます。

足の指が90°以上反ってしまう

足の指を手で上に反らしてみます。90°以上、上に反ってしまうと浮き指である可能性が高いです。写真のように正常では90°までは反りません。

足の指と床との間に紙が入るかどうか?

足を床に付いた状態で、パートナーに床と指の間に紙を入れてもらいます。足の指と床が接地していれば、紙は入らないですが、浮き指では入り込んでしまいます。

フットプリンターを使用する

このフットプリントは、いわゆる足形を採取するもので足の裏の接地面が見て取れます。
足の指の部分のインクが映らなかった場合は浮き指となります。

浮き指の改善・予防方法

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サイズの合った靴を着用する

子どもは成長が早いため、少しサイズの大きな靴を履かせてしまう人がいますが、緩い靴を履くことは望ましくありません。緩い靴を履くことで、靴が脱げないように足の指に過剰な力が加わったりする事が問題となります。

靴を履いたら踵で地面をトントンと打ち付けてサイズをあわせ、その状態で1cm程度つま先に余裕があるのが良いとされています。

また履きやすい、脱ぎやすい靴よりも、マジックテープなどでしっかりと固定が出来る靴の方が望ましいです。

踵を踏んで靴を履かない・サンダルを避ける

踵を踏んだ靴や、サンダルでは脱げないように足の指が常に上を向くような状態となり、浮き指の原因となります。また足の指を曲げるように踏ん張る力が使いにくくなることも挙げられます。

外遊びの時間を増やす

室内遊びが多い子ども群と、外での遊びが多い群とでは圧倒的に室内遊びの子どもに浮き指が多くみられたとの研究結果があります。外で遊ぶ機会を増やすことで、足への刺激を与えたり、走ったり、ジャンプしたり、バランスをとったりという事も重要な要素となります。

グーチョキパー体操

足の指でグー・チョキ・パーを繰り返し、足の指の筋肉を使っていきます。

遊びの中で足の指を使う

 子どもとなると、体操やトレーニングといった事よりも遊びの中で足指を使う事が最適かと思います。
 例えば、足の指でビー玉や小さな人形などを拾って、カゴに入れて時間で数を競うといったような遊びをすると、ゲーム感覚で楽しみながら指を使う事が出来ます。

 まとめ

小学生の患者さんをみていても浮き指がみられる子が多い事を実感しています。子どもの足の形状は10~12歳ごろでほとんど完成されると言われています。

最近増えている浮き指は、子どもの頃に適切な対応をしてあげる事で予防する事ができます。そのためにはその知識を知っているかどうかが重要となってくるので、一人でも多くの子どもに伝わるように情報発信をしていきたいと思います。