全身は筋膜で繋がっている!アナトミートレインについて

学生時代は筋肉は個別に存在しているように教わる

学生の頃、個別の筋肉をひたすら勉強させられましたよね?

〇〇筋の起始は〜で、停止は〜でって。

そしてそのまま国家試験を終えて臨床に出ます。

新人の頃の私はというと

肩が動かない

=肩甲骨、上腕骨周囲にアプローチ

例)

広背筋、大胸筋のストレッチ
ローテーターカフのex
胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節へのモビライゼーションなど

膝が曲がらない

=膝関節周囲の筋肉軟部組織・関節にアプローチ

例)

大腿四頭筋のストレッチ
膝蓋骨周囲のモビライゼーション

教科書にも当たり前のように書かれていて、病院においてあるパンフレットにも自宅で出来る体操みたいな感じで紹介されています。

私も新人の頃はただひたすら患部のみを治療していました。

しかしいくらアプローチしても筋の硬さが今ひとつとれない。痛みが改善しない。

でもそこしか原因がないと思い込んでいたからまた同じ治療をくり返す。

そんな感じでした。

全身は筋膜で繋がっている

そんなある日に出会った本がアナトミートレインです。

筋肉は個別に存在するのではなく多種多様につながりをもっているのです。

例えば先ほど例であげた肩の治療でよく触るであろう広背筋。

実は反対側の大臀筋とつながっているのです。

広背筋の硬さがが今ひとつとりきれない。

対側の大臀筋を緩めてみる。

すると今まであった広背筋の硬さがとれ、肩の挙上がスムーズに行える!

結果、今まで個別でしかみれていなかった筋肉へのアプローチの視野が格段に広がりました。

全身は筋膜でつながっていて、一箇所に不具合が生じると他の箇所に代償が起こり機能障害を引き起こします。

簡単なイメージとして

着ているYシャツの下の裾の部分を強く引っ張ったままバンザイをしてみて下さい。

肩の挙上がすごくしづらいと思います。

裾の部分が大臀筋だとして、袖の部分が広背筋と仮定すると、大臀筋の硬さが肩の挙上を制限します。

全身が筋膜でつながっているとこのように他部位に影響を及ぼします。

学校では筋肉は当たり前のように個別に存在しているように教わります。

実際の献体を使った解剖実習なんかでも連結を司っている筋膜は剥がされた状態である事が多く、いかにも筋肉は個別に存在しているように教わります。

国家試験を通るためだけなら個別の筋肉の知識で十分です。

しかし臨床で治療をするためには筋肉は筋膜に線維が入り込んで連結している、全身は筋膜でつながっているという事を意識してリハビリをする事が大切になります。

アナトミートレインのつながりを体感

簡単に自身の体で体感出来る方法として、

肩を90°外転位から行けるところまで水平伸展してみて下さい。

その時、手指屈曲位・手関節掌屈位と手指伸展位・手関節背屈位とで可動範囲が変わるのが体感できるかと思います。

教科書的には水平伸展の制限因子として最も関わる筋肉は大胸筋かと思いますが、手指・手関節の肢位よってその可動性が変わります。

つまり、手指・手関節の筋が大胸筋とつながっているという事になります。

また、長坐位でつま先を触るように前屈してみて下さい。

その時、足関節背屈位と底屈位とでは可動範囲が変わるのが体感できるかと思います。

前屈の制限因子として最も関わる筋はハムストリングスかと思いますが、足関節の肢位によってその可動性が変わります。

つまり下腿後面の筋とハムストリングスが繋がっているという事になります。

さらに

SLRの最終域にて、額にしわを寄せるように目を大きく見開いてみて下さい。

SLRの可動性が広がるかと思います。

額の筋とハムストリングスは繋がっているという事になります。

裏を返すと、額の筋の柔軟性が失われれば、ハムストの柔軟性にも影響が起こる可能性があるという事になります。

アナトミートレインの種類

このようなつながりが身体には存在しており、アナトミートレインに記載されている筋膜のつながり(筋膜経線)は以下に書いてある全部で11種類あると言われています。

ディープフロントアームライン(DFAL)
スーパーフィシャルバックアームライン(SBAL)
ディープバックアームライン(DBAL)

これらのつながりを頭に入れておくだけで評価・治療の幅が大きく広がります。

アナトミートレインの臨床での考え方

人間が動作を遂行するには安定性と柔軟性が必要です。いわゆるスタビリティとモビリティが必須となります。

しかし外傷や慢性的な姿勢保持などにより、筋の短縮が起こり局所の柔軟性が失われる事があります。

逆に筋が慢性的な伸張位となり筋力低下が起こり安定性が欠如する事があります。

すると局所の問題はアナトミートレインの繋がっているライン上の離れた部分に負担をかけ、その部分に痛みを生じさせる事があります。

そのような場合はライン上の問題となっている部分へのアプローチにて改善する事があります。

このようなつながりを頭に入れておくだけで、評価、治療の引き出しは格段に広がります。

臨床に行き詰っていたり、まだ読んだことがない人には是非オススメの一冊です。

オススメ著書

アナトミートレイン 第3版

ファッシャル・リリース・テクニック