膝のサポーターについて。理学療法士によるオススメと選び方!

普段整形外科クリニックで働いていますが、膝が痛いといわれる方が多く来院します。
部活やスポーツで痛めた方もいれば、加齢による変形が原因といわれた方だったり原因は様々です。

普段リハビリをしていて

膝のサポーターってした方がいいの?
どんなサポーターを選べばいいの?
サポーターをすると筋肉が弱るって本当?

といった質問をよく受けます。今回はそのような患者さんからの質問に対し理学療法士目線から膝のサポーターの選び方やオススメサポーターなどを紹介していきます。

膝のしくみについて

まずは簡単にですが膝のしくみについて説明します。

膝は

  • 大腿骨
  • 脛骨
  • 膝蓋骨

という骨から成り立っています。

また膝を支える主な靭帯として

  • 前十字靭帯
  • 後十字靭帯
  • 内側側副靱帯
  • 外側側副靱帯
  • 膝蓋靭帯

という靭帯が存在します。靭帯というのは関節が正常に動く範囲を超えないように守っている役割があります。

膝は基本的には曲げ伸ばしする方向にしか動きません。(厳密には捻れたり、前後左右にもわずかには動きますが。)しかし、体重がかかった状態で色々な動作によって左右方向にも前後方向にも力が加わりストレスがかかります。

そのストレスの蓄積や一回の急激な力が加わる事によって関節を守っている靭帯では制御出来なくなり膝を痛めるのです。また、かかる外力に抗するように筋肉も働くため、過剰に力が入りやすかったり、伸ばされる時間が長かったりして筋肉にも負担がかかり痛みが生じます。

このような膝にかかるストレスを軽減させるのがサポーターの役割なのです。イメージ的には普段膝に10のストレスがかかるのを、サポーターをする事によって4〜6くらいに軽減させてるような感じです。(数字は漠然としたものですが。)

たまに膝のサポーターはしない方がいいっていう人もいますが、私は痛かったり、不自由を感じているのなら使用した方が良いと思っています。目が悪い人は迷わずメガネやコンタクトレンズを使用しますよね?それと同じような感覚です。筋肉が弱くなるっていわれる事もありますが、確実な根拠はありません。

膝のサポーターの効果

膝にサポーターによる効果は以下の事が挙げられます。

  • 膝の痛みの軽減
  • 怪我の再発予防
  • 膝の冷えの防止

の3点がサポーターの主な効果です。

膝のサポーターの種類

サポーターには大きく分けて3つの種類に分けられます。

①巻くタイプ

マジックテープで巻くタイプのサポーターです。キツく巻いたり、緩めに巻いたりと比較的自由に調整が可能です。しっかりと締めて巻けば固定性にも優れ、膝をしっかりと固定できます。

ただ固定力がある分、動きにくさがあります。深くしゃがむ、正座するという動作がしにくくなります。またタイトなズボンの下に巻くとかさばります。

②履くタイプ

そのまま靴下のように履くタイプのサポーターです。膝に密着してフィットするため保温効果も高く、動きを邪魔しないというのがメリットとして挙げられます。タイトなズボンの下でも邪魔になりにくいです。

ただ動きやすい分、固定性は巻くタイプよりも劣り、痛みが強い場合にはあまり向かないでしょう。

③巻く・履くの両方を持つタイプ

フィット性に優れ、さらにマジックテープで巻く事で強固な固定性があります。特に膝の靭帯損傷後や半月板損傷後の再発予防などでスポーツで使用される事が多いです。膝の怪我の一番の原因となる捻れのストレスを軽減させるのに効果的です。

デメリットとしては動きの制限が強いため、しゃがんだり正座が困難である事、タイトなズボンではかさばるといった事が挙げられます。

オススメサポーター

色々な種類がありますが、症状や怪我の種類別に理学療法士目線からオススメのサポーターを紹介していきます。

痛みがさほど強くなく、保温や軽めのサポート

動きやすさやフィット感、保温性を重視したサポーター

お皿の下が痛い。ジャンパー膝やオスグット用のサポーター

お皿のしたにある膝蓋靭帯をサポートする事でジャンパー膝、オスグッドで生じる痛みを軽減する効果が期待できます。

ランナー膝に適したサポーター

ランナー膝の症状がでる膝の外側の負担軽減をサポートする機能のサポーターです。痛みの原因となる膝の捻じれを軽減させる効果が期待できます。


激しいスポーツ、半月板や靭帯損傷後からの復帰に適したサポーター

サッカーやバスケットボールなどのターンやステップ動作の多いスポーツや半月板損傷、靭帯損傷後のスポーツ復帰に適したサポーターです。

巻く・履く両方の利点を備えた固定力の高いサポーターが望ましいです。特に膝へのストレスを強める回旋力や剪断力を軽減させるサポーターがオススメです。

私の経験談 ~膝サポーターの実体験~

私は現役の理学療法士であるとともに、現役の社会人リーグのサッカープレーヤーでもあります。週2回は仕事後にフットサル、週末は11人制のリーグ戦をこなしているサッカーバカです。

私自身、今から3年前くらいに右膝の半月板損傷、離断性骨軟骨炎という膝の怪我を負ってしまいました。無理な体制でアウトサイドキックでボールを強く蹴った際に膝がカクっと外れたような感覚がしたのがきっかけです。その後はプレーをしていても膝の不安定感と痛みで思うようなプレーが出来ず、理学療法士としての直感から

「これは膝やっちゃってるな・・・。半月板いっちゃったかも・・・。」

と思っていました。

数日を経過しても痛みは引かず、階段もしんどい状態で勤務先の病院でMRIの検査を受けると半月板損傷と大腿骨離断性骨軟骨炎という診断を受けました。

「これはヤバい・・・。手術じゃなきゃ治らない・・・。」

と察しました。。

簡単に言うと、膝のクッションである半月板に複雑な亀裂が入っている事、大腿骨の骨が部分的に壊死しているという状態でした。半月板は場所によっては縫合して修復する箇所もありますが、私の損傷は縫合も困難な部分という事でした。

つまり半月板はそのまま亀裂が入ったまま治らないという事です。今後サッカー続けるのも厳しいのかなーと思いながら、自分で膝周りの筋肉を鍛えたりして2ヶ月程サッカーから遠ざかっていました。

2ヶ月もすると強い痛みは引いていたので、軽くボールを蹴りはじめましたが急激なターンやステップではまだ痛みが生じ思いっきりプレー出来ない状態でした。膝が捻れるような動きが伴うと痛みが生じていたので、それを制御するサポーターを購入する事にしました。私自身、膝のサポーターを購入したのは初めての事でした。

購入したのは巻くタイプと履くタイプの混合型のものです。

実際のものです。かなり年季が入っていますが実際に毎回使用しています。

実は半月板には神経がないため、亀裂が入ったりめくれている部分が引っかかったりして周りの組織を刺激する事で痛みが生じるといわれています。今現在、痛みもなくサッカー出来ているので半月板が他の組織を刺激しているような事はなさそうです。実際その後は段々と痛みは引いていき、今現在常にサポーターを着用していますが週2回のフットサルと週末の11制のサッカーの試合は全力でプレー出来ています。その後痛みが再発する事もなく、膝にはなんの支障もありません。恐らく、半月板自体は亀裂が入ったままです。

これもサポーターの影響で、膝へのストレスが軽減されているからかもしれません。特に私の怪我は膝にかかる回旋ストレスが原因でしたが、このサポーターはその回旋ストレスを軽減させる効果があります。

サポーターの使用に関しては賛否両論あるかと思いますが、私は膝に不安があったり、半月板や靭帯の怪我をしていたりするなら迷わず使用した方が良いと思います。筋肉が弱ったというような実感は全くありませんし、むしろ怪我をしている事を忘れてプレーできています。サッカーのように激しめのスポーツをする際は、巻く・履くの両タイプを備えた固定力の高いものがオススメです。

以上、理学療法士兼、サッカープレイヤー目線からの膝のサポーターについての紹介でした。