足首の捻挫どのくらいで治る?リハビリ・応急処置方法など徹底解説

足をくじいたり、捻った後に内出血をして腫れ上がり、痛みが出るその状態。いわゆる足首の捻挫について

  • 応急処置
  • 早く治す方法
  • リハビリの方法
    について解説していきます。

患者さんからよくされる質問

・足首の捻挫ってくせになるの?
・靭帯って元に治るの?
・治るのにどのくらいかかるの?
・足首を捻挫したらまず何をしたらいいの?

という声に理学療法士がお応えしていきます。

足首の捻挫とはどんな状態か?

捻挫とは簡単に説明すると、

関節が動く範囲を超えて強制的に動いてしまった結果、組織を痛めてしまった状態です。
関節には正常に動く範囲が決まっています。その正常に動く範囲以上に動かないように関節を固定しているのが靭帯です。

わかりやすくいうと

足を開いてズボンのお尻部分が破けてしまうのをイメージしてみて下さい。股の部分のズボンの縫い目が靭帯だとすると、足を大きく開くことで縫い目が裂けてしまう事があります。靭帯損傷もこれと似たような状態です。つまり、可動範囲を超えた大きな力が加わると靭帯も部分的に避ける事があります。捻挫とは靭帯が損傷を受けた状態の事であり、医学的には”靭帯損傷”と呼ばれます。

足首の捻挫は内側に捻ってしまう”内反捻挫”が大半を占めます。

足首の捻挫はくせになるの?

普段、整形外科でリハビリをしていると患者さんから

「捻挫ってくせになるんでしょ?」

という質問をよく受けます。

確かに一度ひどい捻挫をすると痛みが慢性化したり、スポーツ復帰してからまた捻ってしまったりするケースをよく見かけます。くせになるという表現も間違ってはいませんが、実際の状態としては、痛みが引いたとしても捻挫によって損傷した靭帯や筋肉の機能が元に戻っていないというのが正しい表現と思います。

一番良くないのが、足首を捻挫した後、ギプスで固定しただけで、にリハビリも何もしていないというケースです。たまにリハビリ施設のない病院で治療を受けたという患者さんでこういうケースをみかけます。

その場合、関節が不安定なままだったり、足首の可動域制限があったり、足首周辺の筋力が低下していたりしています。れが捻挫の後遺症です。その状態でスポーツを再開した結果、動作に耐えられずにまた捻ってしまうという事が多いです。

足首の捻挫で損傷しやすい靭帯とは?

足首の靭帯ついて解説します。内側に捻る内反捻挫で傷めやすいのは外くるぶし周囲についている靭帯です。
その中でも外くるぶしから距骨(きょこつ)という骨についている前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)と、外くるぶしから踵骨(しょうこつ)という骨についている踵腓靭帯(しょうひじんたい)という靭帯が最も損傷を受けやすくなっています。
 

足首の外側の靭帯の重症度分類

Ⅰ度 前距腓靭帯あるいは踵腓靭帯のわずかな損傷または部分断裂
Ⅱ度 前距腓靭帯あるいは踵腓靭帯の完全断裂
Ⅲ度 前距腓靭帯および踵腓靭帯の完全断裂
というように分類されています。

Ⅰ度とⅡ度では手術をしないで治すことがほとんどです。Ⅲ度については手術をする場合もありますがどちらが良いかというのは一概には言えません。医師の意見が分かれているのが現状です。実際に手術をしてもしなくてもスポーツ復帰までの時期に差はなかったといわれたり、実際の患者成績もマチマチなのが現状です。

足首の捻挫の症状

・歩いたり体重をかけると痛い
・じっとしていても痛む
・痛めた靭帯を触ると痛む
・腫れる
・熱を持つ
・内出血を起こす

なぜ熱を持ったり腫れたりするのか?

怪我をした後に腫れたり、熱を持ったり、痛みがある状態を”炎症”といいます。炎症反応とは生体が傷害を受けた際に起きる生理反応です。その細胞や組織が傷害された際にそれらを取り除き、再生させるための反応で、生体における防御反応の一つです。

その炎症に起きる5つの徴候として

●発赤(赤くなる)
●発熱(熱を持つ)
●疼痛(痛み)
●腫脹(腫れる)
●機能障害(動かせない・力がはいらないなど)
 があります

足首の捻挫の治療?

時々患者さんで、

「足を捻挫したから近くの温泉でよく温まってきたわ。」
 「捻挫をしたんだけど、マッサージをしたほうがいいの?」
 という話を聞きますが、どちらもNGです!!腫れや熱感が強まり痛みが悪化します。
足首の捻挫直後はまず冷やす事が重要です!!受傷後、腫れや熱感が強まる2~3日は温めずに冷やします。
 捻挫直後はRICE処置という応急対応を行う事で症状を最小限に抑える事が重要です。
RICE処置とは

Rest(安静):

患部を固定して外力が加わらないように安静にする
Icing(冷却):
患部を氷のうなどで冷やし、一時的に血流を抑える。20分程度冷やし、40分置いてまた冷やすというのを繰り返します。
Compression(圧迫):
患部の血管を圧迫して血流を抑える。
Elevation(挙上):
心臓よりも患部を高い位置にして血流を抑えます。
捻挫直後はこのRICE処置を速やかに行う事が、今後の回復に重要となってきます。

捻挫で切れた靭帯は元に戻るの?治るの?

靭帯は切れた後に自然修復してきますが、靭帯の血行や周辺組織の環境などによって治る能力が異なってきます。関節の外にある靭帯は修復能力が高く、関節の中にある靭帯は修復能力が低いといわれています。足首の靭帯は関節の外にあるため修復能力が高いです。膝の前十字靭帯なんかは関節の中にある靭帯で修復能力が低く手術する事が多いです。

切れた靭帯が治る条件として

靭帯の周りにある組織(主に関節を包む膜)の連続性が保たれていて、血行が保たれている事
治る過程の靭帯に適度な緊張が加わる事
再度損傷させるような外力から守られている事

の3点が挙げられます。しかし靭帯は一度損傷をすると元のような強度の組織には完全には戻らないと言われています。

靭帯損傷から2~3ヶ月を経過すると靭帯を構成する組織が正常様になってくるが、1年を経過しても強度や組織的にも元の正常な靭帯には戻らない
固定後の靭帯の回復には固定期間の6倍の期間を要するという報告もある。
靭帯が完全に元のような1年を経過しても戻らないというのが医学的な見解とされています。

私の実体験

 先日スポーツ障害の研修会に参加させていただいた際に、超音波にて自分の足首の靭帯を検査してもらえる機会がありました。実際に見てみると私の足首の靭帯は正常よりも、張力が劣っており、いわゆる緩んでいるという検査結果でした。。。 
 私はずっと今でもサッカーをしているのですが、最近捻挫をしたといえば1年くらい前でしょうか?そのくらい経過していても靭帯の強度は完全に回復していないのです。しかしサッカーでは痛みもなく現在も全力でプレーする事が出来ています。
私の足首の捻挫に関して、超音波検査上では靭帯自体は完治していないようです。
むしろ元の組織には戻らないのかもしれません。しかし全力でサッカーが支障なく出来ているという事は動作的には完治しているという認識でいます。つまり靭帯の完治しないけれどもスポーツには支障のないレベルに回復するという事です。そのためには損傷部分を周りの筋肉を鍛えたりする事が重要となってきます。

足首の捻挫はどのくらいの期間で治るのか?

おおまかにですが
Ⅰ~Ⅱ度の損傷  4~8週間
Ⅲ度の損傷    12週間
  がスポーツ復帰の目安と言われています。 しかし単純な靭帯の損傷だけでなく、骨が剥がれてしまう剥離骨折を伴ったり、他の部分の靭帯に損傷があったりなど重症度によってはさらに長期の期間を要する場合もあります。

足首捻挫後のリハビリ・筋力トレーニング方法

 足首の捻挫後は強度が弱まっている靭帯の代わりに筋肉による関節の保護が重要となります。捻挫後に特に重点に鍛えるべき筋肉のトレーニング方法をお伝えします。

腓骨筋トレーニング

膝の下の外側にある長腓骨筋と短腓骨筋という筋肉は足首の外側の靭帯のように内反捻挫を制動する役割があります。
 
   セラバンドというゴムチューブを使用します。
 
 小指側にセラバンドを巻き付け、外側に引っ張ります。
この時足の指が曲げて行う事、膝が動かないことがポイントとなります。

タオルギャザー

 
足の指でタオルを引き寄せます。この時足先だけで行うのではなく、足の根元から曲げるようにして行うのがポイントです。
注意点として、足の指が動きにくい場合は、無意識に足首を動かしたり、足全体を使ってタオルを引き寄せようとしてしまう事があります。
あくまで足の指だけを曲げ伸ばししてタオルを引き寄せるように行って下さい。

足首の捻挫 オススメサポーター

捻挫からの運動復帰ではまた捻ってしまうのではないかという恐怖感と、激しい動きになるとまだ痛むという症状が残るかもしれません。そのような不安を解消するにはサポーターも有効です。サッカーなどの激しい運動の場合はマジックテープで補強できるタイプのサポーターがオススメです。

 まとめ

足首の捻挫はスポーツをされる方の多くの人が経験する怪我かと思います。 患者さんの多くは捻挫をしてある程度痛みが引いたらリハビリも何もいないでそのまま~という事を多く見かけます。実は捻挫の後遺症は足首だけでなく、膝や股関節、腰の怪我の元にもなりうる事があります。
膝や腰が痛いといって整形外科に来られる患者さんの体をチェックしていくと足首の硬さや筋力に左右差を見つける事が非常に多いです。
問診をしていくと以前捻挫をしたことがあって、そのままにしていたら痛くなくなったから何もしていない。というケースが多いです。
足は立ったり歩いたり走る際、唯一地面と接する部分で土台となります。この土台部分の動きが悪ければその上にあるものに大きな影響を与えるのです。  一軒家の家も土台となる基礎の部分がしっかりしている事で家が傾いたりしないで頑丈なものとなります。家で言うと足首は基礎の部分に当たります。足首の捻挫の後遺症を残したがために膝や腰に大きな怪我をしてしまわないようにしっかりと治療しリハビリする事が大切です。

コメント

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